コラム
「和を基調とする政治」の本質
和を基調とする政治は、すべからく争いを避け、他を受け入れる、というものではありません。それは、国民が和(和の国)を志向し、それぞれが尊厳を保ち、皆で相談して、たゆまず協働することによって成立するものなのです。
人の道に反することには毅然として拒否することが和のもとです。人の道に反する言動に対しては、それを拒否することによって、かえって争いが生じることなく、相手とよい関係をつくることができるのです。理不尽なことは、それを拒否することが、実は、相手にそれが理不尽であることを気づかせ、こちらが相手から尊重されるもとなのです。
そうした前提に立ち、、国民一人ひとりが和を志向し、自己を確立し、他を尊重しつつ、個々に自分が与えられた役割を果たすことによって社会全体が発展する、これが和を基調とする政治の本質です。そしてそれは民主主義の原点でもあるのです。(2022年5月9日)