ホーム>コラム>「コロナ禍があぶり出したもの」(1)一つの国への依存度が高いことの弊害
  • ホーム
  • 活動案内
  • コラム
  • 機関誌
  • 代表紹介
  • 法人概要
  • お問い合わせ
コラム

「コロナ禍があぶり出したもの」(1)一つの国への依存度が高いことの弊害

「コロナ禍があぶり出したもの」 皆様、いろいろお考えいただけましたら幸いです。

(1)一つの国への依存度が高いことの弊害

これまで、あまりに一国にモノの製造を依存してきたことの弊害が、今回のコロナ禍で、あらためて明らかになりました。これまで、住宅、自動車、家電、衣類、ゲーム機、医療機器類や医療用具、マスクや薬品、その他、日本のほとんどあらゆるモノの部品やモノそのものをある国に発注あるいは日本の会社がその国に工場をつくって生産していました。

コロナ禍を避ける上でマスクは必需品です。特に医療用マスクは不可欠です。医療用マスクが無いと感染検査も治療もできないのです。そして国民は感染を防止するために一般用マスクを常備している必要があります。

しかし日本では今、何億枚ものマスクを供給することはできません。聞くところによると、一般用マスクも医療用マスクも、必要な原材料やマスクを作る機器類も一国に集中しているとのことです。これが日本国内で医療用マスクや普通のマスクが足りないことの大きな原因になっているのかもしれません。(数は少ないですが、国産の品質がよい一般用マスクは売られています)

話は変わります。戦国時代、駿河と尾張の国境で日常的に何度も小ぜり合いがあった時のことです。その幾度もの小ぜり合いで、駿河の今川義元は傭兵を雇って尾張と戦わせていました。そうしているうちに、今川の傭兵は戦(いくさ)のノウハウを学びましたが、今川の本隊は休んでいて戦をあまり学びませんでした。このためもあったのでしょう、桶狭間の戦いで今川の本隊は織田信長にあっけなく敗れてしまいました。今川義元は、小ぜり合いで自軍の損失を避け(目先の利を選択して)自軍の実力をつけていなかったために、いざ大事な戦で自らが滅んでしまったのです。

広く語られていることですが、日本の多くの製造業がコスト削減や利便性を求めて(目先の利益を優先して)、外国に発注し続け、あるいは外国に工場をつくってモノを生産し続けた結果、新幹線や電子機器の技術その他、日本の多くの優れた技術が外国に移転し、また大量の資金もその国に渡りました。

日本の多くの企業が本格的に大規模に、外国に大量にモノを発注あるいは工場を造って現地生産するようになったのは、今世紀に入った頃から、政府と財界が主導して進めた新自由主義、そしてグローバリゼーションに乗り遅れたくない、という意識が働いたから、と言われています。約20年前、欧米の国々は人件費が安いその国を世界の工場にすることを考え、また巨大な新市場になり得るとも考えていたのです。こうしたことが、日本の一国への依存を高める要因になったのでしょう。

マスクの一件からも、一国への依存度が高かったことの弊害が、あらためてよくわかります。

いずれにしても、日本は今川義元に大いに学ぶべきであったのです。(ちなみに2020年3月、政府は一国ではなく、広く他の国々に発注あるいは生産の拠点移動する際は、その支援をすることにしています)(樫野紀元)

2018416182132.jpg